人と同様に犬や猫も外耳炎になることがあります。多くは皮膚に何らかのトラブルがある子で起こりやすく、中には異物による刺激や誤った耳のお掃除でなってしまう子もいます。
治療としては点耳薬が良く使用されますが、今回誤った点耳薬の使用で難治化した外耳炎の猫ちゃんが来院されたので紹介します。
2ヶ月前に耳を痒がるようすがあり、耳垂れもでていたため病院で外耳炎と診断され、2ヶ月の間ずっと点耳薬を使用していたが良くならないとの主訴で来院されました。慢性化しており鼓膜の状況も分からなかった為、耳の内視鏡を実施した所、点耳薬の成分が耳道内に固着しており、鼓膜が破れて鼓膜付近で炎症を起こしている様子がみてとれました。

耳道内を洗浄し、可能な限り綺麗にしたのが次の写真です。

洗浄後は点耳治療をやめて、内服投薬に切り替えたところ劇的に改善し、2週間で治療は終了としました。
今回の症例は中耳炎や内耳炎に伴う神経症状などはありませんでしたが、外耳炎からより耳の奥の炎症に発展することも多く、特に鼓膜に穴が空いている場合は点耳薬は禁忌です。
この症例以外にも異物や毛詰まり等、慢性化する外耳炎には理由があることが多い為、治療をしても2週間以上改善がない場合や繰り返す場合は一度詳しい検査をされることをお勧めします。